

鋳物について
鋳物の歴史、専門用語、よもやま話など順次ご紹介してゆきます。
鋳物用語
鋳物業界の独特の言葉、専門用 語などを解説します。
あか(垢) 鋳鉄、スクラップに付着しているほこりとか異物
FC・FCD
FCはねずみ鋳鉄、FCDはダクタイル鋳鉄
FC200やFC250といった素材はねずみ鋳鉄と呼ばれ、鋳造ではないS45Cなどの炭素鋼と比べると粘り気がなく脆いというのが特徴です。 FCDで始まる素材はダクタイル鋳鉄と呼ばれ、FC材に比べて耐摩耗性や機械的強度が高くなっています。特にFCD600以上になると硬度もかなり高くなります。
キューポラ コークスの燃焼熱で鉄を溶かして鋳物の溶湯を得るための溶解炉で、鋳造に用いられています。
自硬性鋳型(じこうせいいがた) 常温で放置させることで砂を硬化させ、鋳型を作る方法です。砂型鋳造に使用する砂型の一種となります。代表的なものに、フラン自硬性鋳型があります。
ショットブラスト 金属やガラスなどの表面に研磨材を吹き付けて、表面を粗くしたり、錆や汚れを取り除いたりする加工方法です。 圧縮空気を利用して、鋼やセラミック、ガラスなどの粒を高速で吹き付ける。表面を粗くして塗装やコーティングの密着性を高めたり、錆や汚れを取り除いたりする。
出湯(しゅっとう) 溶解炉から湯を取り出すこと
砂(すな) 鋳造で砂型を作る際に使われる砂のことです。
砂型製作では砂はもちろん、ベントナイトや水分なども混ぜ、一般的には押し固めて成型します。
砂型は金属が固まった後にバラされますが、砂は回収されて再生利用されます。
使用する砂は何でもいいわけではなく、鋳造に向いている性質を持つものを選ぶ必要があります。
鋳物砂にはいくつか種類があり、それぞれ特徴が異なるため、用途や目的に合わせて使い分けられます。
砂枠(すなわく) 鋳造の際に砂型を支える枠で、鋳型枠とも呼ばれます。金属製または木製の枠で、剛性や耐久性、寸法の正確さが求められます。
堰(せき)をつける 湯道から流れてきた溶湯を鋳型内の空隙に導く経路を設けることです。堰の形状や寸法、取り付け位置によって、溶湯の流れや鋳物の品質に影響します。
堰折(せきおり) 鋳造の際に湯道から流れてきた溶湯が製品部に流れ込む流路を堰止めることです。
造型機(ぞうけいき) 鋳型を製作する機械で、鋳型製造機や型込め機とも呼ばれます。砂型鋳造法において、鋳型を大量に製造するために使用されます。
ダクタイル鋳鉄(FCD) 黒鉛(グラファイト)の形を球状にして強度や延性を高めた鋳鉄の一種です。球状黒鉛鋳鉄、ノデュラー鋳鉄とも呼ばれます。
注湯 鋳型に溶湯を注ぎ込むことで、湯の入れ始めから入れ終わりまでを指す。 「鋳込み」と同義語。
縦込(たてこみ)砂型が縦になっている状態で取鍋などを使って溶解した金属を注ぎ込みます。
取鍋(とりべ) 鋳物鋳造の工程で、溶融した金属を型に流し込むために溶融金属をため込む、ひしゃくのような耐火材容器である。
塗膜(とまく) 塗料が乾燥して硬化した膜状の層のことです。外壁や屋根、家具などに形成され、表面の保護や装飾目的で使用されます。
中子(なかご) 鋳物に空洞を作るために使用される砂型の鋳型です。中子には、耐熱性や強度、崩壊のしやすさなどの特徴が求められます。
ノロ 溶融した金属から分離して浮かぶカス。
バリ 鋳造バリ 鋳造の工程で生じるバリのことです。形状としては、薄いヒレのようになるのが特徴です。
フラン自硬性鋳型 砂型鋳造法の一種で、有機系のフラン樹脂と硬化剤を用いて砂を固めて鋳型を作る方法です。砂型の強度を上げるために樹脂を混ぜ、常温で放置して硬化させるのが特徴です。
フラン樹脂 鋳造の際に砂を硬化させる粘結剤(バインダー)として使用される有機化合物で、砂型鋳造法の一種であるフラン鋳型を形成する材料です。
粉体塗装(ふんたいとそう) 粉末状の塗料(粉体塗料)を静電気を利用して被塗物に付着させ、熱で定着させます。パウダーコーティングとも呼ばれます。
ミル 鋳物工場において鋳物砂を練る機械を指します。和製英語
湯 溶かした金属
藁灰(わらはい) 鋳造の際に溶解金属の温度を保持したり、アカを取り除いたりする目的で使用される素材です。